こんばんは。日夜、仕入れたアイテムの検品に余念のない古書店・HITODE BOOKS(ヒトデブックス)です。古書を仕入れると、ページの間にちょっとした見つけものをすることがあります。
私は読書をするとき、栞の代わりに購入時のレシートを挟むことがよくあります。そして読了後も、そのレシートはそのままにしておきます。本棚で埃をかぶるまで寝かした後、何かの機会に再び手に取ったとき、×月○日にどこで買ったのかが分かると面白いかなと思うからです。
レシートはよくあるパターンです。まったく縁のない、遠くの(今も営業するのかも分からない)書店の色褪せたレシートは、その本がヒトデの手元に来るまでの来歴を知る手がかりとなり、長い旅をしてきたのかと、しばし見入ってしまいます。それを処分するときは、やはり躊躇してしまいます。
展覧会の図録には、チケットやチラシがいっしょになっているのもよくあることです。これは古書といっしょにそのまま販売し、次の購入者の方へのおまけとすることにしています。
思いもかけないモノを見つけることも多いです。東北地方で仕入れた80年代の「SWITCH」の中からは一枚のステッカーが出てきました。調べてみたところ、それは北海道の知床にかつてあったロッジ風のホテルのものだと判りました。旅行先でお土産として購入して、大切に本の間にしまい込んでいたのでしょうか。
TMネットワークの写真集の中からは、日焼けした1枚のチラシが出てきました。それはB’zが1988年にリリースした、デビューアルバムのチラシでした。小室哲哉さんといえば、私はtrfや安室奈美恵さんなどをプロデュースした方という思い出が真っ先に頭に浮かぶ世代。だから、TMネットワークとB’zの関係が最初はまったく結び付かなかったのですが、調べてみると松本孝弘さんはデビュー前にTMネットワークのサポートメンバーだったことを知りました。
するとこのチラシが、TMネットワークの写真集の中から出てきたのも納得です。それは松本孝弘さんの新たな活動を応援するために関係者によって挟み込まれたチラシか、もしくは写真集の以前の持ち主がやはり応援の気持ちからこのチラシを大切に保管していたと考えられるからです。
まだまだこの手の偶然の話はあり、きっと古書店の仕事を続ける限り、それは増え続けるように思います。続編は、また機会を改めてまとめたいと思います。